フィナステリド

〜効果・副作用・服用方法・他薬品との違い〜

長坂 良

Dr.監修
Dクリニック名古屋 院長長坂 良

2000年5月 北里大学病院精神神経科 入局
2002年9月 国立療養所久里浜病院 入職
2009年4月 Dクリニック東京 入職
2021年10月 Dクリニック札幌 院長就任
2024年4月 Dクリニック名古屋 院長就任

フィナステリドとは

AGA治療に用いられる内服薬

フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)の治療に用いられる内服薬です。AGAは前髪の生え際のM字部分や頭頂部が薄くなる脱毛症で、男性の薄毛のほとんどがAGAと言われています。もともとフィナステリドは前立腺肥大症の治療薬として開発された成分ですが、抜け毛を防ぐ効果がみられたため、現在は世界中でAGA治療薬として使用されています。

プロペシア錠のジェネリック医薬品

AGA治療薬として最初に開発されたのはプロペシア錠です。プロペシア錠はフィナステリドを主成分としており、その後ジェネリック医薬品の「フィナステリド」が開発されました。フィナステリドは成分名と医薬品名のどちらにも使われています。

フィナステリドの効果

フィナステリドの効果・効能

AGAの仕組み

フィナステリドはAGAの進行を食い止める薬です。AGAは男性ホルモン「テストステロン」が還元酵素「5αリダクターゼ」と結びつき、悪玉男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」に変換されることで発症します。ジヒドロテストステロンが毛母細胞の働きを抑制することで髪の毛の成長を阻害し、抜け毛が増えてしまうのです。
フィナステリドは5αリダクターゼの働きを抑制し、テストステロンと5αリダクターゼの結合を防ぎます。その結果ジヒドロテストステロンが作られにくくなり、抜け毛の進行を食い止めることができるのです。

作用する期間

服用開始〜3か月 〜6か月 〜1年
  • ・抜け毛が減少する
  • ・生え際にうぶ毛が目立つようになる

あまり変化がない

  • ・うぶ毛が濃くなり、伸びる
  • ・薄毛が目立たなくなり始める
  • ・周囲の人に「増えた?」と気づかれる

効果を感じ始める

  • ・明らかに抜け毛が減少する
  • ・後退していた生え際が前進する
  • ・毛髪のボリュームを感じる

効果を多くの人が感じる

フィナステリドは服用から3ヶ月〜半年ほどで効果を感じ始めます。即効性のある薬ではないため、効果がないと勘違いし服用をやめてしまう方もいらっしゃいますが、しっかりと効果を得るためには服用を継続することが重要です。

作用するタイプ

フィナステリドは全てのAGA患者に効果があるわけではありません。AGAを引き起こす5αリダクターゼには「Ⅰ型」「Ⅱ型」の2種類があり、フィナステリドは「Ⅱ型」にのみ作用します。そのため、頭部に5αリダクターゼⅠ型が多く存在する方にはフィナステリドの効果がみられず薄毛は改善されません。その場合は5αリダクターゼⅠ型に働きかける「ザガーロカプセル(デュタステリド)」を使用します。

AGAの仕組み

フィナステリドの副作用

1〜5%未満 1%未満 頻度不明
過敏症 そう痒症、じん麻疹、発疹、血管浮腫(口唇、舌、咽喉及び顔面腫脹を含む)
生殖器 リビドー減退※1 勃起機能不全※1、射精障害※1、精液量減少 睾丸痛、血精液症、男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)※2
肝臓 AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇
その他 乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、めまい

※1 市販後において、投与中止後も持続したとの報告がある。

※2 本剤の投与中止後に、精液の質が正常化又は改善されたとの報告がある。

フィナステリドの副作用には上記のような症状があります。重大な副作用には肝機能障害があり頻度は不明です。副作用の発生を抑えるためには、医師の指示に従い用法用量を守ってフィナステリドを服用するようにしましょう。

ポストフィナステリド症候群(PFS)について

ポストフィナステリド症候群(PFS)とは、フィナステリドの服用を中断したにもかかわらず副作用の症状が続く状態のことです。通常、副作用は薬の投与を中止すれば成分が体内から排出されるため症状も消失していきますが、フィナステリドの投与中止後に抑うつ等の精神障害や性機能低下などの症状が現れたという報告もあります。ポストフィナステリド症候群の原因はわかっておらず、現在有効な治療方法もありません。ただし、精神的要因が原因の一つとして考えられているため、Dクリニックグループではリスクを最小限にするために丁寧なカウンセリングを行なっております。例えば、下記に当てはまる方にはフィナステリドの服用をおすすめしておりません。

  • ・妊活を検討しており、EDなどの性機能障害が生じることに強い不安を持っている方
  • ・心の病気を抱えている方
  • ・不安を感じやすい方

なお、これらに当てはまる方にはミノキシジルなど他薬品での治療をおすすめしております。フィナステリドとミノキシジルは作用機序が異なるため、同じような副作用が生じることはありません。フィナステリドの副作用が心配な方は、カウンセリング時に医師にご相談ください。

フィナステリドの服用方法・飲み方

  • ・1日1錠
  • ・水またはぬるま湯で服用する

フィナステリドは1日1錠服用する薬です。飲み忘れたからといって1日に2錠服用するのは避けましょう。また、一度の服用で24時間効果が持続するため、いつ飲むか決めておく必要があります。例えば朝8時に服用し、翌日は夜10時に服用すると、薬の間隔が24時間以上空いてしまうため作用が切れる時間が発生してしまいます。常に薬の作用が持続するよう、あらかじめ薬を飲む時間を決めておきましょう。

フィナステリドの注意点

服用できない人

  • ・女性
  • ・20歳未満の男性

フィナステリドは20歳以上の男性にしか効果が期待できません。また、妊娠中の女性がフィナステリドを服用したり触れたりすると、お腹の中の男性胎児の生殖機能の発達に悪影響を及ぼす危険性があります。通常フィナステリドはコーティングされているため成分が漏れ出すことはありませんが、欠けていたり割れていたりすると皮膚から成分を吸収してしまいます。そのため、妊娠中・妊娠の可能性のある女性・妊活中の女性はフィナステリドを服用するのも触るのも厳禁です。

禁忌

  • ・お酒を飲む場合は服用時間をずらす

フィナステリドとアルコールを同時に摂取すると、作用が強く出てしまい副作用が生じる可能性があります。そのため、お酒を飲む方はフィナステリドの服用時間を朝にするなど工夫してください。なお、フィナステリドの効果が変わってしまうような飲み合わせNGの食材などはありません。

初期脱毛について

初期脱毛とはフィナステリドの服用直後に起こる脱毛です。薬が作用することで古い髪の毛が新しい髪の毛に押し出され、一時的に大量の抜け毛が発生します。薬の作用による脱毛のため、基本的に心配する必要はなく、時間の経過とともに治っていきます。なお、初期脱毛が起こらない人もいます。

個人輸入の通販サイトの危険性

AGA治療薬は決して安い薬ではないため、費用を抑えるために個人輸入の通販サイトを利用される方がいらっしゃいます。個人輸入の通販サイトとは、業者や個人が直接海外の薬等を仕入れて販売しているWEBサイトで、日本で未承認の薬を取り扱っていたり、日本よりも低価格で薬を販売していたりします。そのため、患者様にとってはメリットの多い通販サイトのように思えますが、偽物が販売されている可能性があり大変危険です。万が一偽物を購入しても全て自己責任となり、思わぬ副作用が生じても救済措置は一切ありません。また、どのような成分が含まれているかわからないため、副作用が生じても対処が難しいケースもあります。このような危険性があることから、個人輸入の通販サイトは使用せず、フィナステリドは必ずクリニックで処方してもらいましょう。

フィナステリドと他薬品の違い

プロペシア錠との違い

フィナステリドはプロペシア錠のジェネリック医薬品です。そのため作用や副作用に違いはなく、服用方法も変わりません。フィナステリドのほうがプロペシア錠よりも費用が安いため、コストを抑えてAGA治療を受けられます。

ザガーロカプセルとの違い

ザガーロカプセルとフィナステリドは作用機序が異なります。ザガーロカプセルが5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型の両方に作用するのに対し、フィナステリドは5αリダクターゼⅡ型にのみ働きかけます。どちらの薬が適しているかは患者様によって異なるため、医師が判断いたします。

ミノキシジルとの違い

ミノキシジルはAGA治療に用いられる薬で、飲み薬と塗り薬があります。塗り薬の場合、フィナステリド等の内服薬と併用して使用することが多いです。ミノキシジルは頭皮に塗ることで血行を促進し、髪の毛に十分な栄養を届けるため、積極的な発毛効果が期待できます。

DクリニックのAGA治療について

定期的な診察で治療をサポート

当院では毎月1回医師の診察をお受けいただきます。医師と患者様が定期的に顔を合わせ、治療の進み具合やお悩みなどを確認することで、お一人おひとりのペースに合わせた治療が可能です。
また、AGA治療は薬を服用し続けることが重要ですが、服用を忘れてしまい効果がなかなか出ないといった患者様も多くいらっしゃいます。服用忘れの原因は薬をもらったことによる安心感がほとんどです。このような服用忘れを防ぐためにも、患者様の治療に対するモチベーションを維持するためにも、当院では薬を処方するだけでなく定期的な診察が重要だと考えています。

院内製剤で患者様に適した薬を処方

当院で処方するAGA治療薬は院内で調合しております。患者様によって体質や毛質、頭皮環境や薄毛の進行状況は異なるため、製薬会社の作るAGA治療薬が全ての患者様に効果的とは言えません。そのため当院では、カウンセリングや診察で患者様の状態やご希望などを細かく確認し、有効成分の濃度を調整したり、ビタミンや亜鉛などの必要な成分を加えたりすることで、お一人おひとりに合わせたAGA治療を行っております。

オンライン診療も選択可能

オンライン対面いいとこ取り活用法

いつでも何度でも切り替えOK

患者様の健康状態を把握

来院診療

安定したら切り替える

不安になったら切り替える

患者様の健康状態を把握

オンライン診療

当院の診察はオンライン診療または対面診療のどちらもご利用いただけます。オンラインであれば通院時に人の目を気にする必要がなく、通院時間や交通費などもかからないため患者様の負担を軽減することが可能です。治療に必要な血液検査も自宅で行えるため、対面診療と変わらないクオリティで治療をお受けいただけます。なお、オンライン診療と対面診療はいつでも切り替えできるため、時間がなくて自宅で診察を受けたい場合にはオンライン、医師と会って話がしたい場合は対面など、患者様のライフスタイルに合わせて診察方法をお選びください。

3種類の治療方法をご用意

3種類の治療方法をご用意

当院のAGA治療は「発毛+抜け毛抑制治療」と「抜け毛抑治療」の2種類あります。また、「発毛治療」には、処方薬の種類によって2種類のプランを用意しており、患者様の目的やご希望に合わせて治療方法をお選びいただけます。

治療費用

積極的発毛+抜け毛抑制
  • 発毛
    ★★★★★
  • 抜け毛抑制
    ★★★★★

60パターンの掛け合わせから選択

●Dオリジナル内服薬

ミノキシジルベース 1mg/2mg/4mg/8mg

フィナステリドベース 0.3mg/0.7mg/1.0mg/1.1mg

ディタステリドベース 0.3mg/0.6mg

●Dオリジナル外用薬
ミノキシジルベース 6%/10%/14%

27,50033,000(税込)

発毛+抜け毛抑制
  • 発毛
    ★★★☆☆
  • 抜け毛抑制
    ★★★☆☆

15パターンの掛け合わせから選択

●Dオリジナル外用薬
ミノキシジルベース 6%/10%/14%
●内服薬

フィナステリド 0.2mg/1mg

プロペシア 0.2/1mg

ディタステリド 0.5mg

14,30024,200(税込)

抜け毛抑制
  • 発毛
    ☆☆☆☆☆
  • 抜け毛抑制
    ★★★☆☆

3種類の治療薬から選択

●内服薬

フィナステリド 0.2m/1mg

プロペシア 0.2mg/1mg

ディタステリド 0.5mg

1,10013,200(税込)

患者様それぞれの状態と目指すゴールに応じて、3種類の治療プランをご用意しております。

症例写真

  • Case.130代 MO型

    Before
    Before
    After6ヵ月後
    After

    [治療内容]アドバンスト発毛治療

    [治療価格]35,200円(税込)

    [副作用]

    この治療により起こる可能性がある副作用
    頭皮のかゆみ、肝機能障害、リビドー(性欲)減退など

  • Case.240代 O型

    Before
    Before
    After5ヵ月後
    After

    [治療内容]アドバンスト発毛治療

    [治療価格]35,200円(税込)

    [副作用]

    この治療により起こる可能性がある副作用
    頭皮のかゆみ、肝機能障害、リビドー(性欲)減退など

  • Case.350代 M型

    Before
    Before
    After8ヵ月後
    After

    [治療内容]アドバンスト発毛治療

    [治療価格]35,200円(税込)

    [副作用]

    この治療により起こる可能性がある副作用
    頭皮のかゆみ、肝機能障害、リビドー(性欲)減退など

フィナステリドに関するよくある質問

  • フィナステリドの効果はいつから感じられますか?

    フィナステリドの効果は3ヶ月〜半年ほどで実感できることが多いです。ザガーロカプセルが半年〜1年ほどで効果を感じ始めるため、フィナステリドのほうが早めに効果を実感しやすいといえます。

  • フィナステリド服用中に献血は可能ですか?

    フィナステリドの成分は献血を受ける方に悪影響を及ぼす危険性があるため、フィナステリド服用中に献血はできません。献血をする場合は1ヶ月ほど服用を中止してください。

  • フィナステリドをやめたらどうなりますか?

    フィナステリドの服用をやめると再び抜け毛が増えてしまいます。フィナステリドが効かないと感じても、まずは3ヶ月〜半年ほど様子をみましょう。ほとんどの場合、半年程度で薄毛の改善効果を実感できます。どうしても服用をやめたい場合は、自己判断で中断せず医師にご相談ください。

  • フィナステリドを服用しても抜け毛が止まらないのですがなぜですか?

    フィナステリドを服用しても抜け毛が減らないのは、そもそもフィナステリドが服用後すぐに効果を感じられる薬ではないからです。早々に効果なしと判断せず、まずは3ヶ月〜半年程度服用を続けてください。

  • M字はげにはフィナステリドが効果的ですか?

    M字はげの方はAGAを発症していることが多いです。フィナステリドはAGAに効果が期待できる内服薬のため、M字はげにも効果的と考えられます。

  • フィナステリドに耐性はありますか?

    フィナステリドには耐性がないため、長期間服用しても効果が軽減されることはありません。

  • フィナステリドの1mgと0.2mgの違いを教えてください。

    フィナステリドの1mgと0.2mgは成分の濃度を表しています。高濃度の1mgのほうが効果的と考えられていますが、患者様によって適した濃度は異なります。当院では0.1mg単位で成分濃度を調整し、患者様にあったフィナステリドを処方しているため、より高い治療効果を期待できます。

  • フィナステリドの半減期とは何のことですか?

    半減期とは血液中の薬の成分濃度が半分になる期間のことです。フィナステリドの半減期は6〜8時間ほどと言われています。対してザガーロカプセルの半減期は2週間ほどとなり、より長期間血中に薬の成分がとどまるため、強い効果が現れると考えられています。ただし、どちらの薬が優れているというわけではなく、適した薬は患者様の体質や症状などによって異なります。

  • フィナステリド服用中にも妊活はできますか?

    フィナステリドを服用していてもほとんどの場合精子や精液に問題は生じません。ただし、副作用の性機能障害に対して不安の強い方は妊活中の服用を避けたほうがよいでしょう。フィナステリド服用中の妊活に関してご不安な方や、これから妊活を考えていらっしゃる方は、まずは医師にご相談ください。